ロマンチックなシャンソン

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 「まだ梅雨が明けずに、さえ
 ないお天気の日が続くね。
 今日も、一日中曇天だったね」

 「曇っていると、ガーデンも
 パッとしないなあ。
 夏の花は、明るい陽射しを浴び
 ないと輝かないもんだね」

 「冴えない日だから、何か
 ロマンチックな歌でも引用し
 てみるか」

 「今日は古いシャンソンを引用
 してみるね。
 シャルル・トレネは、ラ・メール
 や詩人の魂など数々の有名な
 シャンソンを残しているけど、
 知っているかい?」

 「うん、名前は聞いたことがあ
 るな」

 「もう15年も前に亡くなって
 いるけど、彼の曲は今でも多く
 の人に歌われているんだ」

 「今日は、(残されし恋には)と
 いう曲を引用するね。
 1942年の作曲だから、
 まあ、私とほぼ同じ年だ」

 「それじゃ、相当古びた曲だな」

 「どうして、どうして今聞いて
 もとても良い曲だよ。
 まあ、ミモザのオヤジと一緒さ」

 「Que rest-il-de nos amour
 残されし恋には
 というタイトルだけど、日本語
 訳を引用するよ

 私たちの恋には何が残って
 いるの

 あの美しい日々には何が残って
 いるの
 一枚の写真、古い若い頃の一枚
 の写真
 送り合ったラブ・レター
 あの4月の日々の逢瀬
 いつまでも忘れられない思い出
 色褪せてしまった幸せ、素晴ら
 しい幸せ

 奪われた口づけ、風になびく髪
 これらの何が残っているの
 教えて頂戴


 小さな村、古い鐘楼
 ひっそりとした美しい景色
 雲の中にはあの愛しい顔
 それは過ぎ去った私の過去


 過ぎ去った私の過去
 過ぎ去った私の過去

 どうだい。ロマンチックな
 失恋の歌だろう」

 「うーん、まあね」

 「まあ、君には分からないだろ
 うけどね。

 「それじゃ、また明日!」