ボードーレールの詩


今日の熱海は朝から雨が降り、暗い一日でしてた。

気温も低く、そろそろ暖房が欲しくなりますね。


「最近、ブログも少しマンネリ気味だなあ」と思う今日この頃です。

そこで、今日は、シャルル・ボードレールの「敵」という詩を引用しま

す。「フランス名詩選」 安藤元雄他編 岩波文庫より。


  私の青春は ただまっくらな嵐ばかりで、

  ところどころに輝く日ざしが落ちたにすぎない。

  雷と雨とがあまりにも荒れ狂ったので、

  私の庭には赤い木の実もろくに残っていない。


  そしていま 私も思念の秋にさしかかり、

  シャベルや熊手を使わなければならなくなった

  洪水にさらされた地面をもう一度ならしたいのだが、

  墓のように大きな穴がいくつも水にえぐられている。



  それにしても誰が知ろう 私の夢みる新しい花々は

  河原のように洗い流されたこの土地に

  滋養となる神秘の糧(かて)を見出すことができるのかどうか?

  


  ーーおお苦しみよ! 苦しみよ!「時」がいのちを食らい、

  私たちの心臓をかじる無気味な「敵」が

  私たちの失う血を吸って育ち 肥えふとる!


ボードレールは、詩集「悪の華」で有名な19世紀のフランス詩の巨匠

ですね。


この詩の大意は、「不毛な青春を過ごした。そして今、人生の秋にさし

かかり、この荒涼とした土地に、もう一度花を咲かせることができるの

だろうか?時間という敵が、命を食いちぎっていく!」ということで

しょうか。


雨の降りしきる秋の日に、この詩を読んでいると、つくづく身に沁みる

感じがします。


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